UX/UIデザインとは何か:仕事内容と日本での年収をわかりやすく
最終更新:July 12, 2026 読了時間:約1分
スマホの乗換案内アプリで、目的地を入れたら数秒で最適ルートが出てくる。この「迷わずに使えた」という体験そのものを設計するのが、UX/UIデザインの仕事です。ボタンの色や配置だけでなく、使う人が何を考え、次にどこを押すかまで含めて組み立てます。
この記事では、UX/UIデザインとは何かを初心者向けに整理し、UI/UXデザイナーの実際の仕事内容と、日本での平均年収の目安まで具体的に見ていきます。
UX/UIデザインとは何か
まず言葉を分けて考えると理解が早いです。UX(User Experience)は「使ったときの体験全体」を指します。UI(User Interface)は「実際に触れる画面や操作部分」です。
わかりやすい例で説明します。飲食店の予約アプリを想像してください。「日時を選ぶ → 人数を入れる → 予約完了」という流れがスムーズで、途中で迷わない。これがUXの設計です。一方、日付を選ぶカレンダーの見た目、ボタンの大きさ、文字の読みやすさ。これがUIの設計です。
UXは家の間取りや動線、UIは壁の色やドアの取っ手。両方そろって初めて「住みやすい家」になります。だからこの2つはセットで語られることが多く、求人でも「UI/UXデザイナー」とまとめて募集されます。
UXデザインが扱う範囲
UXデザインは画面を描く前の作業が多いのが特徴です。ユーザーへのインタビュー、行動の観察、どこでつまずくかの分析。そこから「こういう流れなら迷わない」という設計図(ワイヤーフレーム)を作ります。
たとえばECサイトで購入完了までに5画面かかっていたところを、3画面に減らす。この判断はデザインというより、人の行動を読む作業です。
UIデザインが扱う範囲
UIデザインは、その設計図に見た目と質感を与える工程です。配色、フォント、余白、アイコン、ボタンの反応。Figmaというツールを使って画面を組み立てるのが今の主流で、日本の制作会社や事業会社でもほぼ標準になっています。
UI/UXデザイナーの1日の仕事内容
肩書きは同じでも、会社によって守備範囲は変わります。スタートアップなら1人でリサーチから画面制作まで担当することも多く、大手なら役割が細かく分かれます。
実際の業務を並べると、こんな流れになります。
- ユーザーや社内の担当者へのヒアリング
- 課題の整理と、解決案のスケッチ
- Figmaでのワイヤーフレーム・プロトタイプ作成
- エンジニアやプロダクトマネージャーとの仕様のすり合わせ
- リリース後のデータを見て、改善点を探す
エンジニアと会話する時間が想像以上に多い、というのは現場に入って気づく人が多いポイントです。デザインは作って終わりではなく、実装できる形で渡し、公開後の数字を見て直し続ける仕事だからです。
環境系サービスや行政のデジタル化など、社会的なテーマを扱うプロジェクトも増えています。この方向に関心があるなら、使いやすいプラットフォームを設計するためのUX/UIベストプラクティスの考え方が参考になります。
UI/UXデザイナーの平均年収は?日本の目安
年収は経験、地域、勤務先の業態で大きく変わります。断定はできませんが、日本の求人情報から見える大まかな傾向は次のとおりです。
| 経験レベル | 年収の目安(日本) | 主な仕事の範囲 |
|---|---|---|
| 未経験・ジュニア | 350万〜450万円 | 指示のもとでUI制作、簡単なリサーチ補助 |
| 中堅(3〜5年) | 450万〜650万円 | 一つのプロダクトを任され、UXから担当 |
| シニア・リード | 650万〜900万円以上 | 設計方針の決定、チームの取りまとめ |
東京や横浜のIT企業、外資系、あるいはプロダクトを持つ事業会社では、上の目安より高くなることもあります。フリーランスの場合は案件単価と稼働数しだいで幅がさらに広がります。
年収を左右するのは肩書きより「成果を数字で語れるか」です。「このボタンの改善で申し込み率が上がった」といった実績を持っている人ほど、評価が上がりやすい傾向があります。
デザイン経験ゼロから始められるか
結論から言うと、始められます。美大やデザイン学校の出身でなくても、UI/UXデザイナーになった人は珍しくありません。営業、事務、接客からの転職も現場にいます。
理由は、この仕事で問われるのが絵のうまさではなく「使う人の立場で考える力」だからです。接客で「お客さんが何に困っているか」を読んできた人は、その感覚をそのまま設計に使えます。
ただし独学だと、Figmaは触れても「なぜこの設計が正解なのか」を説明できないまま止まりがちです。採用面接で見られるのは完成した画面ではなく、そこに至った理由です。この思考のプロセスを体系的に身につけるなら、UX/UIデザインブートキャンプのカリキュラムのように、リサーチから制作、ポートフォリオづくりまで一続きで学べる環境が近道になります。
最初に身につけたいスキル
- Figmaの基本操作とプロトタイプ作成
- ユーザーインタビューと課題の整理
- 情報設計(画面の構造を組み立てる考え方)
- デザインの意図を言葉で説明する力
このうち最後の「言葉で説明する力」を軽く見る人が多いのですが、実務では一番効きます。デザインは1人で完結せず、必ずチームに説明して合意を取る場面があるからです。
学び始める前に確認しておきたいこと
自分に向いているかは、小さく試すとわかります。ふだん使っているアプリを一つ選び、「ここが使いにくい、自分ならこう直す」とメモしてみてください。この作業が苦にならないなら、適性は十分あります。
学び方は独学、スクール、ブートキャンプと選択肢があります。時間の使い方や予算に合わせて選べるよう、受講できるコース一覧で自分に合う形を比べてみるのがおすすめです。
UX/UIデザインは、人の行動を観察し、それを画面に落とし込み、公開後に直し続ける地道な仕事です。絵の才能より、使う人への好奇心があるかどうかがすべての出発点になります。まずは気になるアプリを一つ分解するところから始めて、手を動かして確かめてみてください。